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2005.12.22

『ポテト・スープが大好きな猫』

作 テリー・ファリッシュ、絵 バリー・ルーツ、 村上 春樹 訳の『ポテト・スープが大好きな猫』 講談社 という絵本を読んだ。

この絵本は、「あとがき」によれば、「ある日アメリカの街を散歩していて、偶然見つけた絵本です。ぱらぱらとページをめくり、『うん、これはいいや』と思って買って帰り、机に向かってそのまま翻訳してしまいました。」とのこと。なんとも、春樹さんらしいエピソードだ。それがそのまま日本で出版されてしまうところがすごい。

物語は、テキサスの田舎に暮らす、おじいさんと年取った雌猫のお話。その猫は、ねずみ一匹つかまえたことのない、役に立たない猫なんだけど、おじいさんはその猫のことがけっこう気に入っているのだ。でもおじいさんは、「そんなそぶりは、ほとんど見せ」ない。そして、猫の好物は、おじいさんの作るポテト・スープだった。

ちょっと照れ屋のおじいさんと、いかにも猫らしい性格の猫との、ほのぼのと心暖まるストーリー。読み終わって、無性に猫を飼いたくなった。

絵も、柔らかいタッチと色使いで、見ていて心地よかった。

そういえば、学生時代、アパートに産まれたてくらいの子猫が迷い込んできて、あんまりかわいかったのでー晩一緒に過ごしたことがあった。朝起きてみると、布団にしっかり黄色い丸いシミができていた(笑)。学校へ行くときに、仕方なく外に出したけど、ずっと僕を見送ってたなあ。

あとがきに、「この本は、年取った雌猫好きの読者のみなさんには、きっと喜んでいただけるのではないでしょうか。」と書いてある。猫好きの人も、それほど猫が好きじゃない人も、きっと喜ぶだろう。寒い冬の夜に読むのにピッタリの絵本だと思う。

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2005.12.13

『知に働けば蔵が建つ』

内田樹先生の『知に働けば蔵が建つ』文藝春秋 を読んだ。先生が2004年から2005年にかけてブログに書いたものの中から編集者が選んだものが収録されている。また、収録に当たっては書き直しをされたとのことだ。

オカダが、先生のブログを読むことを毎日の習慣とするようになったのは2004年の2月からなので、この本に収録されている文章(もちろん前書きと後書きを除いて)は、全てブログで読んだものだ。それ故、読んでいて懐かしさを覚えた。

先生がその時々の様々な問題を取り上げられて書かれたもので、それに対してコメントやトラックバックの形で大きな反響があったものは、漏れなく収められていて、それらのことを懐かしく思い出した。日本社会の階層化に関するものと、靖国及び中国に関するものとは、特に反響が大きかったように思う。

編者者の山本浩貴さんは、先生とは長いつきあいとのことで、さすがにブログも熱心に読まれているのだろう。全体を5つの章に分け、リスク社会、記号、武術、問い、交換と、時事問題と先生の得意分野とを、バランスよく収めていると感じた。

再度読んで、そのラディカルな語り口にはやはり魅了された。いつも思うのだが、先生は難しいことをわかりやすく説明することにかけては右に出る人はいないだろう。本書でも、非常に丁寧に説明してくれるので、オルテガとかレヴィナスが出てくるところ以外は一気に読めた。

山本浩貴さんが企画したこの本のテーマは「教養」ということで、前書きにあたる「はじめに」は、「知性と時間」という副題がついているが、これも素晴らしい内容だった。

オカダは最近流行の「雑学」や「トリヴィア」にはどうも違和感を感じていたのだが、先生が「教養は情報ではない。教養とはかたちのある情報単位の集積のことではなく、カテゴリーもクラスも重要度もまったく異にする情報単位のあいだの関係性を発見する力である。」と書かれているのを読んで、得心が言った。

余談だが、第4章に収録されている「銃と弁護士」 は、2004年06月16日にUPされたものだが、その中に「前回裁判員制度のことをブログに書いたら」と書かれてあって、その前回というのは6月09日にUPされた『「オタク」と司法』 というエントリーのことだ。そのエントリーに、オカダがコメントを書き込んだら先生から御返事を頂いて、とても嬉しかったことを思い出した。

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2005.12.07

『暴れん坊本屋さん』

久世番子 『暴れん坊本屋さん』 新書館 を読んだ。作者の久世さんは、マンガを描きながら本屋で働いていて、その本屋での出来事について描いたエッセイ・コミックだ。

主人公は久世さん自身なのだが、なぜか姿形が何かの動物みたいなのがおかしい。

これを読んで、「シュリンク」や「平積み」などの業界用語が出てきて、本屋さんの内情がよくわかった。

それにしても、本当に本屋さんって大変な仕事だと思う。朝は早いし、夜は遅いし、本は重いし。店主さんや店員さんの、本に対する情熱があるからこそやっていけるのだろう。

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2005.12.01

がんばっていきまっしょいと過ごした夏

松山市主催の「坊っちゃん文学賞記念イベント」が11月28日に衣山サンシャインという映画館であったので、行ってきた。

第1部は「坊っちゃん文学賞とは?」と題して「鳩よ!」の元編集長の大島一洋さんの坊っちゃん文学賞の選考に関する話だった。

続いて第2部は「がんばっていきまっしょいと過ごした夏」 と題して、TVドラマ『がんばっていきまっしょい』に主演した鈴木杏ちゃんと、ドラマのプロデューサー重松圭一さんのトークショーだった。インタビュアーはテレビ愛媛のアナウンサーで、原作の舞台となった松山東高出身の橋本利恵さん。

(そのときの様子が、テレビ愛媛で29日にニュースとして放送されたようで、その内容をテレビ愛媛のサイトで12月5日まで見ることができます。)

杏ちゃんは光沢のある黒の上下で登場。ふんわりとしたミニスカートに黒いブーツ、シルバーで縁に模様のあるシャツの裾をジャケットからはみ出させていて、おしゃれな感じだった。客席からは、かわいい!の声が。顔は、TVで見るほどふくらんでいなかった(笑)。

まずはドラマの初回の、桜の咲くお堀端のシーンや、杏ちゃんが自転車で走るシーンが
スクリーンに映され、アナウンサーが杏ちゃんに初めて訪れたときの松山の印象を質問。。海や山がきれいで、のんびりとした空気が漂う町だと思ったという答だった。それから、大変だったボート合宿の様子を話してくれた。初めて5人だけで漕いだときは、かなり恐かったそうだ。

そして、重松プロデューサー(以下、P)にとって一番思い出に残ってるシーンは、第2艇のラストの、悦ネエとダッコのシーンとのこと。ドラマのストーリーは、脚本家の金子さんと重松Pと監督(演出)の三宅さんと3人で考えたそうだが、このシーンについてはちょっとベタなシーンなので重松Pも自信がなかったそうだが、出来上がったそのカットの素晴らしさを見て、このドラマの成功を確信したという。そしてそのシーンが上映され、あの「友だちやけん」には、また目頭が熱くなってしまった。スクリーンを見上げている杏ちゃんも、目が潤んでいるように見えた。

さて杏ちゃんの一番思い出に残ってるシーンは、第9艇のラスト、全国大会の当日の朝、家で朝ごはんを食べるシーン。台本を読んで泣いてしまい、撮影時も涙が止まらず、台本が涙と鼻水でグシャグシャになってしまったそうだ。この場面で、ようやくお父さんと和解できたことも強く印象に残ったとか。重松Pによると、撮影時はスタッフも全員息をとめて見守っていたという。そのシーンが上映されると、再び杏ちゃんも泣いてしまっていた。

その後、事前に書いてもらった観客からの質問に答えるコーナーでは、杏ちゃんは悦っちゃんの「体当たり精神」を見習わなくちゃいけないと思ったと答えていた。悦っちゃんと、メンバーと共に過ごしたこの夏はとてもいい思い出になったとか。またボートを漕ぎたいのだけど、全然その機会がないとも。

重松Pは、続編を期待する声が大きいので、何らかの形で実現したいけど、メンバーはみんな多忙なので現状では難しい、という話だった。

そして重松Pが、DVDが来年の2月15日に発売になると宣伝。オカダが思わず「買うよー」と叫ぶと、杏ちゃんと重松Pが「ありがとうございます」と言ってこっちの方に頭を下げてくれて、なんだか嬉しかった。それまでにお金を貯めて、絶対買わないとなあ(笑)。

最後に、お楽しみ抽選会。5人が杏ちゃんのサイン入り色紙を、舞台上で直接杏ちゃんから手渡され、握手してもらっていた。360人中5人の確率で、オカダは残念ながら当たらず。

そして杏ちゃんは退場するときに、「みんなー、がんばっていきまっしょい」の掛け声をかけて、オカダも力一杯「しょい!」と叫んだ。

終わった後会場の外で、たまたま色紙を脇に抱えて歩いてる人を見つけたので、頼んで見せてもらった。サインがイラストみたいになっていて、とってもかわいかった。つい、これ10万円で売ってください、と言おうと思ったが、そんな大金持ってないので断念。

本当に楽しいイベントで、あっと言う間の1時間半だった。2ヶ月半ぶりにドラマの映像を見たけど、もう既にとても懐かしかった。DVDの発売が待ち遠しい。

追記:どてらポッポホさんのブログによると、amazonでは既にDVD-BOXの予約受付が始まっているようだ。早ーっ。

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