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2006.01.09

『天国と地獄』と新生児誘拐事件

一昨日の夜、黒澤明監督の映画『天国と地獄』を、DVDで見た。映画『踊る大捜査線 The Movie』の中に、青島刑事が「これは天国と地獄だな」というセリフが出てきて、それ以来(ふるー(笑))気になっていたのだ。

映画では、三船敏郎演ずる大会社の重役の子どもが誘拐される。三船の家は、横浜の港が一望できる丘の上に立つ豪邸だ。舞台は昭和37年だが、邸宅には既に冷房が完備されている。対する誘拐犯人は、煮え立つ地獄の釜の底のように暑い丘の下に暮らしている。

そして昨日、今回の新生児誘拐事件が、身代金目的であったことが報道された。容疑者夫婦が逮捕されたが、彼らは借金に困っていたようだ。そして彼らが狙ったのは富裕な大病院の院長だった。

今回の事件に、象徴としての社会的な意味を見いだすことはできないだろう。ただ、映画と事件からオカダが思ったのは、日本は高度経済成長以前の、上流と下流の格差、都市と地方の格差の大きい社会に向かいつつあるのだろうということだ。映画の三船の家では、お手伝いさん3人と運転手を雇っていた。現代においても、賃金が相対的に低下していけば、お手伝いさんを大勢雇うことも簡単になるだろう。

前の三浦展『下流社会』のエントリーに、ググル使いさんという方からコメントを頂いていて、ずっと考えていた。確かに、個人個人が正社員でいられるように努力することはもちろん大切だと思う。しかし、求人倍率が2ある時期と、0.5しかない時期とでは、個人の努力にも限界があるだろう。国民が政府に対して、失業率が下がるような政策を求めるのは当然の要求だと思うが、それは「醜い弱者」の姿だと捉えられるのが今の風潮のようだ。

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