« 映画『風の歌を聴け』 | Main | 思考と言語 »

2006.02.01

労働と投資

堀江容疑者をめぐる事件を受けて、TVのコメンテーターや新聞の記者が、「額に汗して働くことが大切」ということを喋ったり書いたりしているのを見て、なんか違和感を感じていたら、小田嶋隆さんがそのことについてブログにザ・フール・オン・ザ・ヒルというエントリーに書いていた。

コメンテーターの人たちは、堀江容疑者に対して嫉妬していたのではないだろうか。だから逮捕を受けて「ざまあみろ」という気分になったのではないか。そして、「額に汗して働くことが大切」という道徳的な言葉を述べたのだろう。

「額に汗して働くことが大切」ということは、裏を返せば「額に汗しない労働は価値の低いことだ」ということになる。「日本人はものづくりに励むべき」という主張もそうだが、これらの考え方の根本には、「士農工商」という価値観があるような気がする。

でも、本来人がどのような職業に就こうと自由で、建前としては職業に貴賤はないはずだ。(もちろん多くの人は「職業に貴賤はある」と思っているだろうが。)

であるから、1日中PCの前に座って株式のデイトレードを行い、マウスを動かすだけで何億も稼ぐ投資家だって、立派な職業だろう。それを他人がとやかく言うべきではないと思う。

また、経済において貨幣は血液と言うべきものだから、それが退蔵されずに投資という形で社会を巡るのはとても重要なことだ。株式市場にどんどん資金が流れ込んでくれば、デフレの解消にも役立つだろう。

その一方、オカダ自身のスタンスはというと、内田樹先生が投資家と大衆社会というエントリーで、「株で儲けるというのはつまらないことだ」と書かれている。先生は以前にも「株式投資などに貴重な時間を費やすのはもったいない」と書かれていて、全く同感だ。

従ってTVや雑誌の「バスに乗り遅れるな」式の誘惑に負けず、株式投資には手を出していない。ただ単に面倒くさいという理由も大きいけど。人生は短い。株式投資に時間をさくくらいだったら、内田先生の著書を読んでる方が遙かにスリリングだ。そして旧来型の「間接金融」に貢献すべく、なけなしのお金は金融機関に預金しているのである。

|

« 映画『風の歌を聴け』 | Main | 思考と言語 »

Comments

一連のホリエモン報道、マスコミの画一的な批判の嵐にはうんざりしちゃいます。
やはり一番違和感のあるのが、「額に汗して……」というフレーズ。
ホリエモンは相当な働き者だと(怠け者の柚木は強く)思うし、ライブドアという巨大な会社組織を作り上げた。
なのに、それは実態のない幻影として評価には値しないのだろうか?
それなら何かを確かに創り上げ、「額に汗した」と言える人間なんて、そうはいないことになると思う。
柚木には、コメンテーターさん達がそんなに希少な人間であるようには思えない。

……でもほんとに、「人生一寸先は闇」ですね。ドキドキ。

Posted by: 柚木 | 2006.02.06 at 10:38 PM

柚木さん、こんばんは。
堀江前社長が相当な働き者だったことは間違いないでしょうね。起業すること自体、大変なことだし。また自ら会社の広告塔としてマスコミにも沢山登場したし。
ライブドアが実体のない会社だったのか、そもそも実体のある会社とはどういうものか、は難しい問題だと思います。
ほんと、人生はわかりませんね。堀江さんもこの先どうなるでしょう。

Posted by: オカダ | 2006.02.07 at 06:26 PM

通りすがりの者です。東海地方在住の40代男性会社員です。株式投資をやっております。通りすがりでありながら、いきなり失礼なのは承知の上ですが、誠に申し訳ありませんが、内田先生や岡田先生のご見解には賛同いたしかねます。先生方のようなお考えの方が多いのは承知しております。会社の年配の同僚にも同じことを言われました。

たしかに定年まで勤める見込みがあり、年金も確かにもらえる見込みのある方は、資産運用など考える必要はないでしょう。しかしその見込みが持てない人が増えております。自分で何とかするしかありません。だから自分年金を作るために、株式投資に取り組んでおります。

日本で資産運用が発達しなかったのは、先生方のようなお考えの方が多かったせいだと思います。これは非難しているのではなくて、終身雇用と大蔵省の護送船団方式に守られた幸せな状態だったと言えましょう。残念ながら長続きはしませんでしたが。

金のことばかりでは頭が痛くなるので、大金をはたいて購入した、「がんばっていきまっしょい」のDVDでも見て、悦ねえに会ってきます。主題歌を歌っているaikoの言葉を借りると、「気持ちをいつでもニュートラルに戻してくれるドラマ」だそうですから。

Posted by: 金の天秤棒 | 2006.02.26 at 03:10 PM

金の天秤棒さん、コメントありがとうございました。「がんば」関連で来てくださったのでしょうか。ちなみに、オカダは先生ではありません。

株式投資に関しては、するかしないかはその人の考え方次第だと思います。現在のようなデフレ状況下では、普通預金でも実質2~3%の利子が付くのと同じことですから、僕としてはそれで十分かと。

「がんばっていきまっしょい」のDVD、届いてるもののまだ見ていません。落ち着いたらじっくり見ようと思っています。

ちなみに、今日は松山第一高校のモデルとなった松山東高校の卒業式で、ローカルニュースでその模様が流れていました。涙を流している女子高生がいて、ドラマの卒業の日のシーンを思い出しました。

Posted by: オカダ | 2006.03.01 at 07:49 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/84752/8452539

Listed below are links to weblogs that reference 労働と投資:

« 映画『風の歌を聴け』 | Main | 思考と言語 »