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2006.05.12

『私の嫌いな10の人びと』

中島義道『私の嫌いな10の人びと』新潮社 を読んだ。中島さんの本は面白いので何冊か読んでいる。で、著者が嫌いな人はと言うと、

1 笑顔の絶えない人
2 常に感謝の気持ちを忘れない人
3 みんなの喜ぶ顔が見たい人
4 いつも前向きに生きている人
5 自分の仕事に「誇り」をもっている人
6 「けじめ」を大切にする人
7 喧嘩が起こるとすぐ止めようとする人
8 物事をはっきり言わない人
9 「おれ、バカだから」と言う人
10 「わが人生に悔いはない」と思っている人

どれもなるほどと共感できるものだったけど、自分に当てはまるものもいくつかあってギクッとした。その中で、特に「けじめ」を大切にする人の章が印象深かった。

けじめを大切にする人は、極度に常識的な人だという。男と女のあいだのけじめ、夫婦のあいだのけじめ、先生と生徒のあいだのけじめ……等々、真顔で一定のルールをもち出して、「さあ、従え」と迫る。

そして、けじめを大切にする人は、全然考えない人であるという。彼らは、理性や言葉を大切にしない。概念を積み上げ、議論を積み重ねて、真実に至るという方法ほど、彼らにとって疎遠なものなはい。なぜなら、そんなことしなくても、もうはじめからけじめは揺るぎないものとして決まっているからだ。

これを読んで、藤原正彦『国家の品格』新潮新書 に、『人を殺していけないのは、「駄目だから駄目」ということに尽きます』と書いてあったのを思い出した。藤原氏こそ、まさしくけじめを大切にする人なんだろう。

そして著者は、けじめを大切にする人の一種として、「ひとの迷惑になることをするな」と説教する人を挙げる。しかし、「迷惑」とは何か? ある人にとって迷惑でも、別の人にとっては歓迎すべきことかもしれないではないか、と。

hoddyさんが、『禁煙ファシズム』という本を評している。この本は未読だけど、小谷野さんのブログは読んでるので、小谷野さんの主張も理解できる。今の禁煙運動は、「喫煙 = ひとの迷惑になる行為 = 悪」という単純な図式になっていて、タバコを吸いたい人の気持ちが全く無視されているように感じる。

けじめを大切にする人があまり増えると、なんかギスギスして住みにくい世の中になりそうだ。

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» 『禁煙ファシズムと戦う』 [考える葦のブログ]
今日は久しぶりに本の感想、というよりこの本を読んで考えたことを書きますね。読んだ本は小谷野敦さんの『禁煙ファシズムと戦う』。はじめに断っておきますけど、ボクは嫌煙家です。 まずは本の感想を少しだけ。著者の小谷野さんは「本気でかかって来い」とプロの論戦を求められているようですけど、残念ながら難しいです。と言うのは、この問題、論理的・法律論的にどうこうという問題ではなく、単に好きか嫌いか、欲... [Read More]

Tracked on 2006.05.12 at 10:59 PM

Comments

オカダさんこんばんは。
お忙しいでしょうに映画や本も楽しんでらして、とってもいいですね。

著者がこの10タイプを挙げた理由をぜひ読んでみたくなりました。

それと、『国家の品格』の藤原正彦氏ってたしか数学者だと思うのですが、その方が『人を殺していけないのは、「駄目だから駄目」ということに尽きます』とおっしゃっているとは驚きでした。私は、理詰めで人殺しがダメな理由を説明されたいです。「駄目だから駄目」って納得しにくくないですか??

Posted by: ciao* | 2006.05.12 at 10:29 PM

オカダさん、TBありがとうございます。
ホント面白そうな本ですね。今度機会があれば、読んでみたいと思います。

「ギスギスして住みにくい世の中」って嫌ですよね。
最近は、いつの間にこうなったんだろう?
誰が望んだんだろう?
と、思います。ボクには結論はありません。

でも、人を殺してはいけない理由も含めて、
出来るだけ多くの人が住みやすいように
少しずつ「我慢」を強いられるのが社会なのかな???
なんて感じます。
好きと嫌いはなかなか共存し難いですけど、
許し合えるようにお互いが理解するように努めないと前に進めないですよね。

Posted by: hoddy | 2006.05.12 at 11:25 PM

へぇ、面白そうな本ですね^^

『禁煙ファシズムと戦う』と言う本と両方、早速、注文しました。

Posted by: ブタネコ | 2006.05.13 at 06:54 AM

ciao*さんへ
最近いろいろ時間をやりくりして、好きなことをする時間に充てるようにしています。特になるべくTVを見ないようにしてますが、これは効果テキメンです。

この本は面白いですよ、機会があれば是非。

藤原氏は、「最も重要なことは論理で説明できない」と書いています。強い方、権力を持つ側は、「駄目だから駄目」と言う方が楽でいいでしょうけど。

Posted by: オカダ | 2006.05.15 at 07:32 PM

hoddyさんへ
TB&コメントありがとうございます。13日のエントリーも熊田興味深く読ませてもらいました。社会のあり方、人間同士のつきあい方をもう1度考え直さないといけない時期にきていると思います。

Posted by: オカダ | 2006.05.15 at 07:36 PM

ブタネコさんならこの本をきっと楽しめると思いますよ(^_^)。僕も『禁煙ファシズムと戦う』も読んでみます。

Posted by: オカダ | 2006.05.15 at 07:38 PM

オカダさん おはようございます^^

『私の嫌いな10の人びと』

昨日、読了しました。^^

>この本をきっと楽しめると思いますよ(^_^)。

と仰られた理由が 私なりに判った様な気がします。^^

たしかに楽しめましたし、勉強になりました。

感想を記事にしたのですが TB発信が出来ないので また、URLの直貼りをお許し願います。^^;

http://buta-neko.com/blog/archives/2006/05/post_832.html

Posted by: ブタネコ | 2006.05.20 at 05:51 AM

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