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2007.01.25

『愚者の旅-わがドラマ放浪』

図書館に、倉本聰『愚者の旅-わがドラマ放浪』理論社 という本があったので早速借りてきて読んだ。「シアターガイド」という雑誌に連載された文章に加筆したものを中心に収録された、倉本さんの自伝的エッセイ。

倉本さんが大学卒業後、ラジオ会社に勤めながら、会社に内緒で、睡眠時間を削ってTVドラマの脚本を書くくだりは、非常に面白かった。テレビ放送が始まって間もない頃の、混沌としている一方で活気に満ちあふれた業界の様子が生き生きと描かれていた。

そして最も面白かったのは、ドラマ「北の国から」の脚本を書くようになったいきさつについて書かれたところ。

最初に企画を持ってきた人は、「テレビを見る人の大半は東京中心の人間だ。都会の人間が抱く北海道のイメージをそのままドラマにしてくれればいい。そうすればドラマは必ず当る」と言ったとか。それに対し倉本さんは、「ふざけるな!! 北海道の人間が見て満足してくれる北海道なら俺は書く。北海道に住む者を無視せよというなら俺は書かない!」と答え、そこから始まったそうだ。

そのような、東京と地方という大きな命題をはっきり意識し、北海道にこだわり抜いた姿勢があったから、「北の国から」があのような素晴らしい作品になったのだろう。「北の国から」をまた見てみたくなった。

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Comments

ほとんどのマスメディアが東京中心に話をする中で、倉本さんの意識というか、考え方は共感が持てますね。
地方を舞台にしたドラマや映画に、いつも違和感を感じてしまいます。
方言ひとつとっても、東京の人がわからないとダメだと言われちゃう、というか、東京の人が「こうだ」と感じている話し方にしてくれと注文がつくのだとか。
そうじゃなくて、やっぱり本物を知りたいですよね。

それでも、富良野に住む知人が言っておりました。
「わざわざ山を崩してまでも、あそこに富良野塾作る必要があったのかなぁ」って。
言行不一致だと、憤っておりました。地元の人じゃなきゃわからないこと、まだまだあるようです。

Posted by: ヤヤー | 2007.01.26 at 02:54 PM

ヤヤーさん、こんばんは。

>方言ひとつとっても、東京の人がわからないとダメだと言われちゃう、というか、東京の人が「こうだ」と感じている話し方にしてくれと注文がつくのだとか。

そういうところにも東京中心主義が表れてますよね。戦後、経済発展が第一で、東京一極集中が進められてきたことの弊害が、いろんな面で大きくなってきたように思います(話が大きくなりすぎ?(笑))。

>「わざわざ山を崩してまでも、あそこに富良野塾作る必要があったのかなぁ」って。

そうなんですか。

>言行不一致だと、憤っておりました。地元の人じゃなきゃわからないこと、まだまだあるようです。

そういう表には出てこないこともたくさんあるんでしょうね(^_^;)。

Posted by: オカダ | 2007.01.26 at 06:12 PM

今晩は ブタネコです。

個人的意見なので読み流してください^^

倉本聰が北海道に移住し、北海道を舞台にした脚本を書き始めた頃の
講演で語る言葉や エッセイは面白いし、説得力も感じました。

ただ、「北の国から」がブームとなり 多くの観光客が富良野に訪れ
る様になった頃から、少しづつ何かが変わった様に私には思えます。

何かが起きれば良い事と悪い事、好ましい事と好ましくない事が生じ
てしまうのは必然なのかもしれません。

私は ファンでもあり、過去の経緯を考えれば 倉本氏に感謝する事
が大だと感じています。

でも、最近の倉本氏の発言には 説得力が乏しく、言行不一致な点が
多々感じられるのが残念に思っているところでしたので 拝読させて
頂いたコメントの流れに何とも言えないものを感じました^^

Posted by: ブタネコ | 2007.01.28 at 05:16 AM

ブタネコさん、こんばんは。

>ただ、「北の国から」がブームとなり 多くの観光客が富良野に訪れ
る様になった頃から、少しづつ何かが変わった様に私には思えます。

なるほど、「北の国から」がヒットし過ぎたのかもしれませんね。この本にも、放映後多くの観光客が押し寄せてきて驚いた、と書いてありましたが、堤さんの名前は全く出てきませんでしたし。

>何かが起きれば良い事と悪い事、好ましい事と好ましくない事が生じ
てしまうのは必然なのかもしれません。

残念ながら、そうなのかもしれませんね。

Posted by: オカダ | 2007.01.29 at 06:33 PM

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