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2007.03.30

『趣味は読書。』

斎藤美奈子 『趣味は読書。』 平凡社 を読んだ。1999年7月から2002年10月まで、3年あまりにわたって40数冊のベストセラーを読み継いできた記録で、「月刊百科」という雑誌に掲載したものに加筆修正し、書き下ろしを加えたもの。

興味深かったのは、冒頭の書き下ろし「本、ないしは読書する人について」。この中で著者は、各種の統計から、純粋な趣味として本に一定のお金と時間を割く人は(日本では)せいぜい 500~600万人がいいところ、と予想している。

一方TVは、視聴率が20%だったとしたら2400万人が見たということになり、対する「読書する人」というのは明らかに少数民族だということになる。

「趣味は読書」という人間はマイノリティだ、という事実は衝撃的だったけど、改めて自分の周囲を見回してみても納得するしかない感じだ。かくいうオカダも、読書に全然興味がなかった時期があったし。自分が暮らしている世界では、「趣味は読書」というのはごく当たり前の感覚だったけど、世の中全体ではそうじゃないことを思い知らされて勉強になった。

本編の方も、「大河の一滴」や「海辺のカフカ」、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」など様々なベストセラー本がなぜ売れたのかを鋭く分析していて、非常に刺激的だった。

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2007.03.28

『この本が、世界に存在すること』

角田光代 『この本が、世界に存在すること』 メディアファクトリー という本を読んだ。本というものをテーマにした9つの短編小説を収めたもの。

てっきりエッセイ集かと思って読み始めたら、そうじゃなかった。ちゃんと帯がついてたらそういうことも書いてあるんだろうけど。

どの話も、不思議な味わいに満ちあふれていて、オカダのような「本の虫」にとってはとても心を惹かれる内容だった。

中でも、「旅する本」は現実にありそうでなさそうなちょっと不思議な感じの話、「彼と私の本棚」は、本が好きな男女が一緒に暮らすことになって……という、実際にありそうな、かなりせつない話、「引き出しの奥」は、『伝説の古本』を求めて古本屋街を探し回る話、そして思い出の本屋を久しぶりに訪ねる「ミツザワ書店」、などが特に印象に残った。

中でも秀逸だったのが、巻末の「あとがきエッセイ 交際履歴」。角田さんは、本を読むという行為は、もっとも特殊に個人的であるという。だれかと、一対一で交際するほどに。そして、角田さんの本とのおつきあいについて書いている。今は、純粋な知識のために本を読むようなことはせず、「私を呼ぶ本」を一冊ずつ読むようにしているそうだ。

このあとがきを読んで、自分の本とのつきあいを思い起こしてみた。そのうちここに書いてみたい。

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先週末見た枝垂れ桜は満開だった。まだソメイヨシノはほとんど咲いてなかった。

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2007.03.23

『リスクのモノサシ―安全・安心生活はありうるか』

インフルエンザの薬、タミフルの服用後の異常行動が大きな問題になっている今、中谷内一也『リスクのモノサシ―安全・安心生活はありうるか』日本放送出版協会 を読んでみた。

鳥インフルエンザやアメリカ牛のBSE問題、あるいはタバコによる発ガン、石綿による中皮腫など、様々なリスク情報に溢れている現代。パニックを煽るようなマスメディアの報道のしかたや専門家のコメントにも問題が多い。リスクの判断基準がないと、小さなリスクを避けるために大きなコストをかけたり、反対に大きなリスクなのにあまり顧みられないといったことが起こる。

それを防ぐために著者は、リスクがどの程度危険なのか、私たち一人一人が判断できるようなモノサシを整えることが有効で、そのためには政府や産業界、マスメディアが一体となって個人のリスク判断をサポートする仕組みを作ることが必要、としている。

この本でも、今タミフルの問題が取り上げられている。リスクがあるか、ないかという結論だけでなく、どの程度のリスクがあるのかという、定量的な視点から判断することが個人にとっても社会にとっても必要だという。この「定量的」というのは、リスクの確率のこと。

「メディアは、リスク情報を高めに伝え、不安や危機感をあおる傾向にあるといえる」と書いてあるけど、実際そのとおりだろう。それに対し著者は、「リスク情報の受け手がメディア報道を慎重に受けとめ、そこで強調されていることを絶対視しないように訴えるほうが、メディアに過剰な要求をするよりも現実的に有効だ」と、かなりクールな見方をしている。

タミフルの問題への厚生労働省の対応を見ていると、リスクを管理する責任者であるべき組織にしては、対応が後手後手に回っている印象を受ける。

やはり個人で、リスクがどの程度危険なのか、一人一人が判断していくしかないのかもしれない。それにはそれなりのコストがかかるし、資源も有限ではあるのだけど。

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今日の桜。愛媛県南部の宇和島市では、昨日開花したそうだ。こちらももうすぐだろうなあ。

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2007.03.20

桜とうどん

週末、地元のイベントにボランティアとして参加した。担当は、うどんコーナーの食券売場係。販売の仕事は全くといっていいくらいしたことがないのでちょっと不安ではあったけど、ノーと言えない性格のオカダとしては引き受けざるを得なかった(笑)。

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会場は、建物の駐車場で、日が当たらず風が吹き込んで非常に寒かった。耐えきれなくなると道路に出て、お日様に当たって暖をとった。

イベント自体を全然見ることができなかったのは残念だけど、これも誰かがやらなくてはならない雪かき仕事@村上春樹 だと考え、内田樹先生を見習って、自分は有能な販売員だと想定して、お客様にいかに迅速かつ丁寧に対応するか、注文に応じて素早くつり銭をお渡しできるようにあらかじめ何種類かの組み合わせのつり銭を用意したりと、あれこれ工夫したりしながらやっていった。

結局、予想したほどにはお客様がいちどきに殺到することもなく、なんとかこなせたからよかったけど、簡単そうに見えても実際にやってみるとなかなか難しい。販売職に転職するならもっと修行しないといけないなあ。

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地元の中学生もボランティアとして、学生服にエプロンをつけてお給仕をやっていた。お客としてではなくサービスを提供する側に立つことは、いい経験になっただろうなあ。

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これはhoddyさんの考える葦のブログの「続さくら観察記」に連動した写真。3月17日現在、桜はまだ蕾。もうすぐ咲くかなあ。

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2007.03.12

サイネリア

3月とはいえ、まだ寒い日が続いている今日この頃。最近バタバタしていてガーデニング熱も低下気味で、水やりくらいしかしていなかったけど、この週末久々に花の手入れをした。花粉症対策のため、マスクをかけて外へ。花粉症のガーディナーというのもアレだけど(笑)。

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サクラソウの赤い花が、2本とも萎れてしまった。水のやり過ぎで根腐れしてしまったのかなあ。自分が未熟だったばっかりに、花にはかわいそうなことをしてしまった。とても残念。

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ヒヤシンスも、もう花が枯れようとしている。ここのところ寒さがぶり返したせいだろうか。少し残念。

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サイネリアは、雹に打たれて被害を受けたことがあったものの、元気に咲いている。

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以前ペチュニアを植えていた場所に植えたパンジーは、鉢植えのものと違ってなかなか咲かなかったけど、暖かくなって日当たりがよくなってきたせいか、だいぶ咲き始めた。もう少し間を空けて植えればよかったなあ。花や葉に穴があるので探してみると、背中にオレンジのラインが入ってる黒い毛虫がいた。殺生はなるべくしたくないけど、やむを得ず駆除。

これから暖かくなってきたら、またガーデニングの季節の到来。あれこれとプランを考えるのも楽しい。

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2007.03.09

『拝啓、父上様』第九話

TVドラマ『拝啓、父上様』、毎週楽しみに見ている。昨日は第九話が放映された。

ドラマでは、主人公一平の働く老舗の料亭「坂下」は、経営不振に耐えかね、料亭の敷地をマンション用地として売却してしまうという展開になっている。現実の神楽坂でも、老舗の料亭が次々になくなり、新しいビルがそこかしこに建っているという。それでも、毘沙門天を中心として古き良き伝統がしっかりと残っているそうだ。倉本聰は、そういう状況を描きたかったのだろう。

また、一平は板前見習。板長の竜次さんは「坂下」閉店と共に包丁を置く覚悟をしている。ここには、古き良き職人のプライドというものが、はっきりと描かれている。職人の技が機械に、あるいはマニュアルにすっかりとって替わられようとしている今の時代に、竜次さんや一平の職人気質が、いぶし銀のように光って見える。

以前のエントリーで、「何故今の時代にこのようなドラマが放映されるのかと、ちょっと戸惑った」と書いたけど、倉本さんは今だからこそ、こういうドラマを作りたかったのだろう。

先日の上京の折り、ものすごく駆け足だったけど、ドラマの舞台、神楽坂にも立ち寄った。そしてあの街の「昔の匂い。なつかしいぬくもり。人々の顔。やわらかい風。」(シナリオ集『拝啓、父上様』理論社 のあとがきより)の片鱗を味わうことができた。

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ドラマの舞台、神楽坂。

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ドラマに度々登場する、神楽坂の中心にある毘沙門天。

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情緒漂う路地裏の石畳。

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リンゴの美少女がフランス語を勉強するために通う、東京日仏学院。

このドラマも残り2回。非常に名残惜しい。

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2007.03.07

『墨攻』

もう古い話になるけど(笑)、椿さんにお参りした後、時間があったので久々に映画を見ることを思いついた。こういう場合、いつもだったら本屋に直行なんだけど、ciao*さんのエントリーに刺激されて、映画館に行きたいと思っていたところだった。

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「映画はおうちで」派のオカダとしては、映画館は一昨年の『トニー滝谷』以来、本当に久しぶり。ちょっと前にできたシネコンへ行った。確かにシネコンというのはいろんな映画が上映されている中から選べるから便利だなあ。上映時間と、好みと、男一人という状況を勘案してオカダが選んだのは『墨攻』。

上映されてたのは、100人収容くらいの一番小さいホールだった。スクリーンもあまり大きくなくて、オカダの家のを2周りくらい大きくしたような感じ。でもさすがに新しいだけあって、音響の方はなかなかよくて迫力があった。家だとなかなかあそこまで大きな音が出せないからなあ。

人気がないのか土曜の午後だというのに他のお客さんは少なくて、全部で10人ちょっとくらい。映画館の暗闇の中で、見知らぬ他人と空間と時間を共有する、というにはちと淋しい状況だったけど、その分ゆったりと一番いい席で見ることができた。

内容については、2時間半と長かったにもかかわらず、飽きることなく一気に見終わった。光栄の三國志好きのオカダとしては、攻城戦のシーンなどが非常に面白かった。しかし、どうももうひとつテーマが絞り切れてない感じで、見終わってスッキリしないものが残った。こちらが「墨家」の思想について全く知らない、というのもあっただろうけど。

口直しに、酒見賢一の原作を読んでみることにしよう。

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2007.03.02

椿さん

松山の伊豫豆比古命(いよずひこのみこと)神社(通称椿神社)で行われた「椿まつり(椿さん)」に行ってきた。旧暦の1月7、8、9日の3日間行われ、いにしえより「伊予路に春を呼ぶまつり」と言われていて、例年「椿さん」の頃が最も寒くなり、これが終わるとだんだん暖かくなってくる。いつもは2月上旬だけど、今年は暦の関係で遅かった。例年ほどではないにしてもやはり寒かった。

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1.5キロ続く参道の両側には、約800の露店がずらり。

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目に付いたのは、「たらこキューピー」の人形のくじ引き屋さん。軒先に揺れる巨大たらこキューピーはかわいかった。そのときは気付かなかったけど、店の人もたらこの帽子を被っている!。

他には、景品に、なんとPS3やWIIが展示してあるおもちゃのくじ引き屋さんが何軒もあった。各5本ずつ当たる!!と表示してあって、思わず引いてみたくなった(笑)。

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お参りしたのは本当に久しぶりだったけど、やっぱりかなりの人出だった。この神社に祀られている伊豫豆比古命は、縁起開運・商売繁昌の神様として知られていて、例年、約40万人の人出があるという。オカダも商売繁昌をお祈りした。

また、もう一人の祭神の伊豫豆比売命(いよずひめのみこと)は女神さまで、この椿さんにカップルでお参りすると、その女神さまが嫉妬してそのカップルは別れることになる、というジンクスがあるらしい。現に、学生時代に彼女とお参りした友人も、その後別れてしまったとか。

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そして、商売繁昌の縁起物の「熊手」の小さいのを買った。御利益があるといいなあ。

というところまで書いて、次の日に画像を編集してアップしようと思ってのが火曜日。その日の深夜、感染性胃腸炎に罹ってしまった。詳しい症状は書かないけど(笑)、久しぶりに点滴を受け、2日間仕事を休む羽目に。何とか今日から復帰。病弱なことについては自信があり、かつ流行りモノが好きだから、仕方ないなあ。

今年はなんか波瀾万丈な一年になりそうな予感が……(笑)。

と思っていたら、内田樹先生も4日間もお風邪を召されているそうだ。ゆっくり休養できないのはお辛いだろうなあ。

さらに、hoddyさんも風邪をひいたそうだ。お大事に。

季節の変わり目でもあり、体力&免疫力が低下している今、オカダも風邪には気をつけよう。みなさまもお気をつけてください。

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