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2007.06.01

『日々是作文』

山本文緒 『日々是作文』 文春文庫 を読んだ。山本文緒さんは、ベストセラーになってTVドラマ化もされた小説『恋愛中毒』の作者。この本は、様々なメディアに発表したものを収めたエッセイ集。以前『恋愛中毒』を読んで非常に面白かったのと、タイトルに惹かれて読んでみた。

中でも興味深かったのが、「ここに一人でいる理由」というエッセイ。

私は一人でいるのが好きだ

という文で始まる。そして

「淋しい」と感じるのは一人でいる時ではなく大勢でいる時だ。特に表面的な会話が空回りしているような時「何やってんだろ、私」という気分になる。早く家へ帰って、化粧を落としてパジャマに着替えて一人になりたいと思う。

と。その気持ち、とてもよくわかる。この前、とある飲み会に参加したのだけど、最後までその場の雰囲気になじめず、後味の悪さが残った。自分が期待していた場とかなり違っていたというのが大きい要因だったのだけど。オカダは残念ながら、初対面の人ともすぐうち解けて、大いに盛り上がるようなタイプでは全然ないのだ。

最後の方で著者は、

 喉が渇くまで水を我慢するように、夜に気持ちよく休むために早起きして働くように、たまに人と会った時に気持ちよく接するために、普段私は一人でいるのかもしれない。

と語っている。こう言い切れる著者は、結構強い人なんだろう。オカダは、そこまで割り切ることができないから、一人が淋しかったり、一人になりたかったりと右往左往するのだろうなあ。

著者のいろいろな思いに触れることができて、味わい深いエッセイ集だった。著者の他の小説も読んでみようと思う。

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Comments

『恋愛中毒』はドラマ観てましたよ…。
薬師丸ひろ子が出てたんで。同い年だから気になるのだ。
でもわたしはあの気持ちよくわかったけどな〜。
実行するかしないかは別として。

さて、四月にわたしも寂しい気持ちでお酒飲んでました。
周りはみんな知ってるひとで、それこそ気心も知れてるのに、自分のこれからのことを考えると不安で情けなくって酔えなかった。
歌うたっててもノリ切れないし、ひとのは尚更聴けないし。
あんなに孤独を感じたのは初めてかも。

で、いまはその不安もちいさくなって来てるので、楽しいお酒です。
なにしろわたしは「残念ながら、初対面の人ともすぐうち解けて、大いに盛り上がるようなタイプ」なのですから。

先日多和田葉子さんのエッセイを読んで、もっとこのひとの考え方を知りたいと思いました。小説というかたちよりも、もっと著者に近づけるような気がします。ここ読んで山本さんにも興味が湧いてます。

Posted by: ヤヤー | 2007.06.02 at 11:36 PM

ヤヤーさん、こんばんは。
オカダも『恋愛中毒』のドラマ観ました。主人公の気持ちにも共感できました。
薬師丸ひろ子は、女優として上手に年齢を重ねてきましたね。昔アイドルだったのが信じられないくらい。

>なにしろわたしは「残念ながら、初対面の人ともすぐうち解けて、大いに盛り上がるようなタイプ」なのですから。

いいですよね、そういうタイプ。羨ましいです。自分も、少しは変えていこうかなと思ってます。

多和田葉子さんといえば、『犬婿入り』で芥川賞をとった方ですね。これだけ読んだことがありますが、なんとも奇妙な味わいの小説でした。またブログで紹介してくれるのを楽しみにしています。確かにエッセイには、作家の人となりが表れるのが興味深いですよね。

Posted by: オカダ | 2007.06.04 at 06:03 PM

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