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2007.08.22

『土佐源氏』

ちょっと間が空いてしまったけど、先日書いたエントリー、「宮本常一生誕百年記念の集い」というイベントの続き。

佐野眞一さんの講演に続いては、坂本長利さんの独り芝居、『土佐源氏』が上演された。

坂本長利さんは、島根県出身の俳優で、最近ではTVドラマ『Dr.コトー診療所』に村長役で出ていたそうだ。

そして演目の『土佐源氏』は、宮本常一の著書『忘れられた日本人』岩波文庫 に収められている話で、宮本常一が、昭和30年頃、土佐(高知県)の檮原村に住む盲目の老人から、その一生について聞き取りした話をそのまま書きしるしたもの。その話は人情が豊かで、男と女の関係の摩訶不思議さ、またエロティシズムに満ちあふれてもいる。

坂本さんは、この芝居を40年間演じ続けてきたそうで、上演回数は1000回を越すという。

Tosa08221

これは進行役の人が前説を行っているところ。ステージの上に台が置かれ、隅に大きなロウソクが灯された。当然ながら、上演中は撮影禁止。

芝居は、原作に忠実でいながら、老人の声や女性の声色を使い分け、表情、動き等、非常に多彩な表現力で、すっかり圧倒され、その妖しい世界に引きずり込まれてしまった。まさにこれが「芸」というものだなあと感心した。

老人が元は博労(ばくろう、牛馬の仲買商人)だったという設定もあってか、衣装の着物に鈴をつけてあって、それを効果的に鳴らすところなども、長年やってるだけあって、計算され尽くした感じだった。

場面転換なし、出ずっぱりの1時間にもかかわらず、あっと言う間に過ぎてしまった。

Tosa08222

上演後、坂本さんが挨拶に出てきたところ。芝居とは打って変わって、今年78歳を迎えるとは思えない程ハツラツとしていて驚いた。

生の芝居を見るのは久しぶりだったのだけど、本当に素晴らしい芝居だった。坂本さんには、ずっと元気で芝居を続けてもらいたい。坂本さんも言ってたけど、この芝居は本来こういう大ホールじゃなくお座敷のようなところでやるものだそうで、そういう場所でもう1度見てみたいなあ。

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