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2007.10.26

『さくら』

読書の秋は、やっぱり読書が捗る。そんな中、西加奈子 『さくら』 小学館 を読んだ。これは、『鴨川モルホー』 の記事で紹介した、新聞記事で取り上げられていた関西の作家のうちの残る一人。その後、土曜朝のワイドショーでも取り上げられているのを偶然見た。

内容は、飼い犬のサクラを中心とした、僕と、兄、妹、そして父さん、母さんの家族の物語。

先日の記事でもちらっと触れたけど、『村上朝日堂 はいほー!』の中で披瀝された、村上春樹の家庭というものに対する考え方、つまり「家庭というのはあくまで暫定的な制度であり、通りすぎていくもの、不断に変化し移りゆくものである」をそのまま小説にしたような感じだった。結局のところ、家族というのはいつか失われるものなのだ。だからこそ尊く、美しい。そしてまた、少年の若さはいつかは失われ、少女の美しさもまた然り。

読んで、透き通った哀しみ、とでもいうような感情を味わった。ちょっと瀬尾まいこの『幸福な食卓』を思い出させるようなところがあった。いってみれば関西版の『幸福な食卓』といったところかなあ。

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Comments

これはアマゾンでレヴュー書いてます。
思いっきり嫌がらせ受けてたので、ものすごく「参考にならなかった」票が入ってますけどね(^^;)
西加奈子、友だちに「なんでこんな話にすんねん!残酷や!!」とか言われたそうですが、作家は汚いこと、イヤなことも書けないと、ねぇ。

家族はときどき構成員の入れ替えや脱退、出現などがあって、生き物のようです。でも「それぞれが生きてること」が何より先決で、それだけでいいんだということを強く感じました。

すぐに売ってしまったので手元にはありません。
買ってくれたひとも売ったかも。美本だったから。

Posted by: ヤヤー | 2007.10.26 at 09:36 PM

オカダさん、こんにちは。
読書をするのに良い季節になりましたね。
関西の作家さんの本、わたしも読んでみたくなりました。特に『鴨川ホルモー』はよく知った場所が出てくるので、楽しそうです。
わたしは昨日、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を読みました。胸が塞がれるようなお話でした。翻訳もとてもよくて、久しぶりに当たりの作家さんに出会ったな、と思えました。
オカダさんのレビュー、楽しみにしています。今度はオカダさんのブログで出会った内田樹先生の『下流志向』を読むつもりです。
では、お互い夜更かしはそこそこに、たっぷり読書を楽しみましょうね ^-^ !

Posted by: 柚木 | 2007.10.28 at 03:45 PM

ヤヤーさん、こんばんは。
アマゾンのレヴュー、二年前で、72個ある中の2番目だったんですね。「人生に恋することだけはやめたくない」とは、とても前向きでいい言葉ですね。ポチっとしときました。
現実がそうであるように、汚いこと、イヤなことも小説には必要ですよね。その方がより心を動かされるし。

>「それぞれが生きてること」が何より先決で、それだけでいいんだということを強く感じました。
そうですね。家庭自体よりもまず家族一人一人の方が大切ですよね。

Posted by: オカダ | 2007.10.29 at 06:04 PM

柚木さん、こんばんは。
『鴨川ホルモー』も『夜は短し、歩けよ乙女』もホントにお勧めです。
『わたしを離さないで』、ずっと気になってたんですが、よかったですか。近いうちに必ず読もうと思います。

>オカダさんのレビュー、楽しみにしています。
ありがとうございます。沢山読んだ中から厳選して紹介しているので、決してハズレはないですよ、と言いたいところですが、こればっかりはそれぞれの好みがありますからね(^_^;)。
『下流志向』は、一般に言われていることと逆のことが書いてあるので、面白いですよ。これもホントにお勧めです。

Posted by: オカダ | 2007.10.29 at 06:12 PM

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