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2008.05.30

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

昨日も市内へ出張。最近忙しくてストレスが溜まった感じだし、家でもロクロク映画を見てないせいもあって、午後からちょっと時間が空いたので、久しぶりに映画館へ。ダニエル・デイ=ルイス主演の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』 を見た。

Coladog

昼食代わりにコーラとホットドッグ。ちょっとしたレジャー気分。

ストーリーは、20世紀初頭のアメリカ・カリフォルニア。石油の山師のダニエル・プレインビューは、ある情報を得て牧場の土地を試掘し、見事石油を掘り当てる、というもの。

上映時間が165分と、とても長いけど、それほど長く感じなかった。起承転結のはっきりしたわかりやすい映画というのではなく、ダニエルの人生を描いた大河ドラマといった趣。20世紀初頭のアメリカ・カリフォルニアを十分にヴァーチャル体験うることができた。

この映画の「ブラッド」にはいろいろな意味が込められているのだろう。現代社会にとって文字通り「血」となっている石油もそうだろうし、人と人との血の繋がり、そして身体を流れる血など。いろいろと考えさせられた。

音楽は、「レディオヘッド」というバンドのギターのジョニー・グリーウッドが担当していて、ここぞというところで、四方から音楽が迫ってきて、非常に迫力があって効果的だった。

ダニエル・デイ=ルイスの怪演についてはただスゴイというしかない感じだが、牧師のイーライ・サンデー役のポール・ダノの存在感が際立っていた。『リトル・ミス・サンシャイン』にも出てたそうなのだけど印象に残ってなかった。

やっぱりたまに映画館で見るのもいいものだなあ。それにしても、平日の昼間、長く、わかりやすいとは言えない作品とあって、観客はオカダを含めて5人。200人は入れる小屋なのに。まあ、こんなものかなあ。ゆったり見ることができてよかったとはいうものの、ちょっと寂しすぎ。

来年あたりブルーレイディスクが出たら見てみて、うちの映像と音響と比べてみよう。

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2008.05.23

『胸の中にて鳴る音あり』

先日仕事で市内へ出かけ、お昼、いつものようにショッピングセンターでパンとコーヒーを買って、車の中で食べるつもりだったのだけど、その日は時間もあるしお天気もよかったので、近くの公園へ行ってみた。

Kouenlunch

鮮やかな新緑と咲き誇る花たちに囲まれ、さわやかな風を感じながら食べるハンバーガーはとても美味しかった。大袈裟だけど命の洗濯ができたように感じた。そして、しばし読書。

読んだのは 上原隆 『胸の中にて鳴る音あり』 文藝春秋。以前雑誌で紹介されていて、興味を惹かれた。著者の上原隆さんは、市井の人々の生き方に焦点をあてた「ルポルタ-ジュ・コラム」というのを書いてる人だそうだ。この本は、雑誌『文學界』に連載されたものと書き下ろしの1編も、全21編からなっている。

第1編は、『東大の時計屋』。東大の安田講堂の地下で、72年間時計屋をやっている人の話。その佐野さんは、たった一人で店をやっていて、奥様にも先立たれ、家でも一人だという。楽しみといえば、音楽を聞くことくらい。ペリー・コモ、ドリス・デイ、ザ・プラターズなど。そんな生活も悪くないという気がする。

この本で取り上げられているのはほとんどが文字通り市井の、無名の人々。不倫をしている女性、47歳になっても独身で、「親の見合い」にくっついてきている男性、文学賞に30回落選し続けている男性。小さい頃に両親が離婚して父親の顔を覚えていない女性。それぞれつらい人生を生きているのだけど、それでもなんとか自分を支えて生きている。そんな姿を読んで、生きることの悲哀とともに、生きていくことの希望も感じることができた。

淡々とした文章の中に、人生の機微が感じられた。筆者の、相手との微妙な間合いの取り方、暖かく相手を見つめる姿に、すごく好感が持てた。自分は話を聞くだけで、相手の役には立てないという割り切り方にも潔さを感じた。また、自分の離婚体験、恥ずかしい部分をそっとさらけ出しているところに対しては親しみを感じられた。

とてもいい本で、心から読んでよかったと思えた。タイトルは、石川啄木の歌からとったという。次は同じく『友がみな我よりえらく見える日は』を読んでみよう。

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2008.05.16

忙中閑あり

もう週末。今週は、来週の大きな仕事のせいでバタバタした一週間だった。

オカダはプレッシャーに弱いし、何でもテキパキできる方ではないし、やっぱりのんびりマイペースでやれる仕事の方が向いてるなあ。

この前の日曜夜の『情熱大陸』というTV番組に勝間和代さんが出ていて、初めて動く姿を見たけど、やっぱりすごかった。まさにビジネス・アスリートという感じだった。ゆとりを持つために徹底して効率化を図るというのには賛同できるけど。

でもまあ、せっかく来た仕事だから頑張らないとなあ。仕事があるだけでもありがたいことだし。

柏餅を食べて一息ついて、さあもう一踏ん張り。

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2008.05.09

今年のGW

GW、4日間家に籠もりきりというのもさすがに飽きるだろうから、1日だけ出かけることにした。出かけた先は、山の中にある奥道後温泉。その名のとおり、道後温泉の奥にある。幼子の頃親に連れて行ってもらったことがあるそうだけど、全然憶えていない。

Huji05091

温泉の傍の山に、藤の花がきれいに咲いていた。露天風呂にのんびり浸かって、新緑を眺めていると、身体たけでなく心まで洗われるようだった。ここのお湯は硫黄成分が多く含まれているそうで、結構肌がツルツルになった。

Dougoheiya050092

その後ロープウェイで山頂へ。道後平野、その向こうの海まで一望できて、素晴らしい眺めだった。

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ここには藤棚があり、その下でヴァイオリンとアコーディオンの演奏があり、気分を盛り上げてくれた。

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ちょっとした外出だったけど、そこそこいい気分転換になった。あとの3日はいつものようにのんびりと本を読んだり映画を見たりして過ごした。次の7月の3連休まで、なんとかがんばろう。

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2008.05.02

『雨天炎天』新装版

近くの図書館に行ったら、村上春樹 『雨天炎天』 新潮社 の新装版が置いてあったので、早速借りて読んだ。文庫版を持っているのだけど、この新装版には多数の未発表写真が掲載されていて、旅の様子が格段にわかり易くなっていた。あの、泳ぎが得意で左右の目の色が違うという「ヴァン猫」の写真もちゃんと載っていたし。

前半のギリシャ、アトス半島の旅を、感慨深く読んだ。アトスには、20の男子修道院があり、今でも2000人以上の修道士たちが「修行」に励んでいるという。まさにギリシャ正教の聖地。平地がほとんどなく、山ばかりで、交通機関もなく、歩いて回るしかない場所なのだ。そしてそれは想像以上に過酷な旅だった。

旅の本質が日常からの脱出だとすると、この旅はまさにそのようなものだった。時間さえ飛び越えてしまったかのような旅。この本を読んで、文字通りの異境の旅を十分に味わうことができた。

一方、こういうところで俗世間と離れて暮らすのも悪くないかもしれないと思った。カビのはえたパンを食べさせられるようなところは御免だけど。

後半のトルコ編の方は、ほとんど内容を憶えていなくて新鮮だった。ギリシャ、ロシア、イラク等に囲まれ孤立していて、国内ではクルド人問題を抱え、異様に兵隊が多いというトルコ。村上さんが旅したのは1988年。今もそれほど変わっていないのだろうか。

このとき村上さんは39歳。元々童顔のせいかとても若く見える。たからこそ、車の旅とはいえ、こちらも相当ハードな21日間にもわたる旅を、やり遂げることができたのだろう。奥さんとの電話で、「いったいここのどこで楽しめというのだ?」とキレそうになるような旅だった。こういうハードな旅の経験を通じて、あのタフな精神が培われたのだろうなあ。

村上ファンでまだ読んでない方は、是非とも読んでみてください。読んだことのある方も、新潮社のために買ってあげてください。

『雨天炎天』と同時に新装版が発売されたのは『辺境・近境』と『うずまき猫のみつけかた』の2冊。オカダは『遠い太鼓』をもう一度読みたくなった。

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2008.05.01

『めがね』

『めがね』という映画のDVDを見た。

小林聡美が演じる主人公のタエコは、観光で南の島へやってきた。宿泊するのはハマダという民宿。そこで民宿の主人や、この宿に出入りしている高校教師のハルナや海辺でかき氷屋を開くサクラと交流することになる。登場人物は全員めがねをかけている。

なんともゆったりとした映画だった。話の展開が遅くて最初の方はなんともだるい感じだったけど、だんだんタエコと同じようにゆったりとた気分になってきた。何もせずにぼーっとすることをこの映画では「たそがれる」と呼んでいたけど、オカダも「たそがれ」たくなってきた。見終わって、久しぶりにいい映画を見たとみじみ感じた。ハリウッドの大作ばっかりも飽きてくるし。

監督・脚本は『かもめ食堂』と同じ荻上直子さん。同じような味わいの映画だった。

というわけで、先日オカダも海へ出かけた。

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ぼーっと海を見ながら缶ビールを飲む。つまみがわりに本をめくっては、また海を眺め、とりとめのないことに思いを巡らせたりする。こういうふうにゆったりと過ごすのが一番好きだなあ。これって結構贅沢なことかも。

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