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2008.09.25

映画『トニー滝谷』BS朝日

Higanbana0925

お彼岸になって、ちゃんとお隣の庭で彼岸花が咲き始めた。自然の営みというのはすごいものだと感心する。

Yuyake09252

夕焼けの色もだいぶ秋らしくなってきた。

そんな折り、映画監督の市川準さんが亡くなったというニュースを耳にした。まだ59歳、その早過ぎる死は本当に残念だ。

そして先日、市川監督を偲んで、映画 『トニー滝谷』 がBS朝日で放映されたので、録画して見た。映画館、DVD、そしてBSと、3年ぶり3度目の鑑賞になる。今回はハイビジョン放送なので期待していたのだけど、DVDと同程度の画質でちょっと残念だった。

日本映画独特の淡い色調を、さらに淡くした映像。もう少し色鮮やかだと思っていたのだけど、これは、オカダが最近の派手派手しい洋画ばっかり見ているせいかもしれない。

なんとも言えないゆったりとしたテンポ、独特のセリフ回し、そして美しい音楽。宮沢りえも魅力的で、何度見ても素晴らしいなあ。

そういえば、吉本ばなな原作の『つぐみ』も市川監督の作品だった。もう1度見てみたいと思って検索してみたら、DVD化されてないようでがっかり。この機会にDVD化されないかなあ。

また、『ノルウェイの森』が映画化されるそうだ。フランス人の監督が撮るそうだが、どんな仕上がりになるか、楽しみなような、不安なような。さすがにこれだけは劇場で見る予定だけど、果たしてこちらで上映されるかどうかも気がかりだなあ。

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2008.09.18

『映画をめぐる冒険』

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去年の暮れ以来、映画熱は続いていて、今では今年見た映画の数の方が、今年読んだ本の数よりも多くなってしまった。もちろん大半は家で見ているわけで、今年映画館で見たのはたったの2本。とはいえ一年で2本というのは、オカダとしては多い方なのだけど。

そんなおり、村上春樹・川本三郎『映画をめぐる冒険』講談社 という本を手に入れた。この本は、1985年12月24日に初版が発行されたもので、あまり売れなかったからか、第2版くらいまでしか出ずに絶版になってしまったようで、村上さんの本の中では入手しにくい本になっている。オカダも前々から欲しくて、インターネットで探せるようになってから買う機会は何度かあったのだけど、かなりな値段が付いていたので、入手できずにいた。それが、割と安い金額で手に入れることができたのは、映画にはまっている今だからこそ縁があったのだろうか。

この本は、映画好きの村上さんが、映画評論家の川本三郎さんに頼み込こんで、一緒に作った映画のビデオのカタログ。全部で264本、原則としてアメリカ映画でなおかつ名作でないものが取り上げられていて、村上さんが6割、川本さんが4割くらいの割合で選んだ映画についてコメントを書いている。そして、年代別に分けられていて、1番古いのは1926年の『メトロポリス』、一番新しいのは84年の『グレイストーク/ターザンの伝説』。『遙か暗闇を離れて』というタイトルのまえがきを村上さんが、『ビデオとの遭遇』というあとがきを川本さんが書いている。

その当時にビデオ化されている作品という制約があったにせよ、作品の選択、そしてそれに対するコメントは、いかにも村上さんらしい語り口で楽しめた。非常に内容の濃い、充実した内容の本に仕上がっていた。例によって見てみたい映画に付箋をつけていったら、相当な数になってしまった。特に60年代、70年代のものに多く興味を惹かれた。

ちなみに、村上さんがコメントをつけた映画のリストは村上春樹マニアとして有名なpiccoliさんのサイトにある。http://www.diana.dti.ne.jp/~piccoli/haruki-eigawo.htm

まえがきも素晴らしくて、村上さんの映画体験は、日曜の朝、朝の食卓で父親が朝刊を読むところから始まったという。そして、映画を見るという行為の中に儀式性が徐々に失われていくのを嘆きながらもこう記す。

 好むと好まざるとにかかわらず、我々はそのような時代を生きているし、(中略)。我々は天候を選ぶことはできない。選ぶことができるのは傘とレインコートの柄だけだ。

村上さんの、映画に対する思いが満ちあふれた一冊。オカダの、『映画をめぐる冒険』をめぐる冒険は、こうしてやっとエンドマークを見ることができた。

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2008.09.11

初めてのエキストラ

先日、知り合いに頼まれて、初めてエキストラを体験した。といっても、TVドラマとか映画とかじゃなく、ストーリー仕立ての広報ビデオの撮影だったのだけど。

役柄は、駅の待合室で待っている人という設定。オカダは、いつもの仕事の時の服装で、文庫本を持って参加。ベンチに座って電車を待ちながら、ずっと本を読んでいるという、つまり普段の姿そのままでやることにした。

撮影した場面は、主役の男性が待合室に入ってきて、一瞬立ち止まって辺りを見回してからまた歩いていくというだけのもの。それでも、ディレクターらしき人が主役にいろいろ演技の注文をつけて何度もやり直しをしたり、立ち位置なども細かく指導したりしていた。カメラも、いろんなアングルで撮ったり、場合によってはレンズに青や白のセロファンを被せたりと、なかなか本格的だった。

全部で40分くらいかかり、その間ずっと本を読んでいたのだけど、こちらにははっきりしたスタートとかカットとかの指示が無くて、長い間緊張して硬くなってしまった。最後に、切符を買うフリをして下さいと言われて、一応やってみた。初めての経験で、結構疲れたけど、なかなか面白かった。演技をするというのは大変なんだなあとつくづく思った。

主役の男性は、なかなかイケメンの青年だったけど、俳優志望の学生ということだった。

ちなみに、持って行った本はこれ。内田樹先生の名著の文庫版。単行本も持っていたけどつい買ってしまった。

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2008.09.04

『長江哀歌』

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もう9月。朝夕涼しくなってきたとはいえ、日中はまだまだ暑い日が続いている。郵便局でもらったアスターの種を播いたら一杯芽が出たのだけど、ほとんど虫に食べられてしまった。わずかに残ったものが成長して、色とりどりの花を咲かせた。小さくて可憐で、秋らしい感じがする。

wowowで放映された『長江哀歌(ちょうこうエレジー)』という映画を見た。舞台は、揚子江上流で建設されている三峡ダムのために水没していく運命にある古都、奉節という小さな町。ストーリーは、前半は山西省から16年前に別れた妻子を探しにやってきた男、後半は2年間音信不通の夫を探しにきた女性を軸に、ゆったりと展開していく。

猥雑な町並み、決して裕福とはいえそうにない人々。昭和30年代前半までの日本もこうだったのではないかと思わせるような光景。その中で、実直にたくましく生きていく人々の姿に心を打たれた。先日の北京オリンピックの際に垣間見た北京の様子とは雲泥の差があり、人々の格差もとてつもなく大きいようだ。

主人公の男は、妻子を探す傍ら建物を壊す仕事に携わる。上半身裸の男たちが、ハンマーを奮って家々を壊していく様子が繰り返し映され、非常に哀切を感じた。

映像は、ふた昔前の映画のようにくすんだタッチで、色も鮮明ではないけど、その分に三峡渓谷の雄大な景色や奉節の町並みが、より美しく哀しく感じられた。

音響の方も、そのままロケ中に録音したのだろう様々な音が、鮮明さを欠くけれども自然な、懐かしい感じで収録されていた。劇中、少年が歌う愛の歌(流行歌?)は、滑稽なんだけど情感たっぷりだった。

まさに、これぞ「映画」という感じ。ベネチア国際映画祭でグランプリを獲ったのも納得。

ちなみに、小谷野敦@もてない男 さんはamazomのレビューで退屈だったと書いている。奥様と二人でじっくり見るにはピッタリの映画だと思うのだけどなあ。

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