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2008.11.28

『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』

Sirayuki1128

先日買ってきたこの花、ネーム板が付いてなくて、名前を忘れてしまった。葉っぱが銀色に変わるのが特徴だそうだけど。

吉野朔実 『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』 角川文庫 を読んだ。これは、『本の雑誌』に連載中の吉野さんの書評マンガを集めたもの。『お父さんは時代小説が大好き』の続編にあたる。

全部本にまつわる話で、長さも2~5ページとまちまち。「本を拾ったことがありますか?」や「いつも本が入っている」、「私はこれを”読みきった自慢”」等々、どの話も興味深いものだった。

中でもタイトルになった話は面白かった。吉野さんのお母さんは、もう何十回読んだかわからないくらい「赤毛のアン」が大好きだそうだけど、その理由は一言、「アンが変わってて面白い」から。

また、「猫好きなのに、飼おうとは思わないの?」と訊かれて「ううん、キライ嫌いよ でも他人の家の猫を都合のいい時だけかわいがるのは好き」と答えるお母さんであった。

そしてこの話のオチが、ちょっと笑えてなんともいいのだ。

本好きにはオススメの本。

『赤毛のアン』といえば、この後読んだ小谷野敦 『聖母のいない国』 河出文庫 にも『赤毛のアン』の話は出てきた。この本は、雑誌『ユリイカ』に、「アメリカ文学を読む」というテーマで連載したものを収めている。

小谷野さんは、1979年に放映された高畑勲によるアニメが、アンの魅力に捕らえられたきっかけだという。そして、なぜアンが日本の若い女性たちに人気があるのかを考察していて、なかなか洞察に富んだ内容になっている。ちなみに、この章のタイトルは「実現すべき自己などない時」。

オカダは『赤毛のアン』をちゃんと読んだことがなくて、一度映画を見たことがある程度。吉野さんのお母さんは別として、『赤毛のアン』が好きな女性にはいい印象を持っているのだけど、実際に出会ったことはないなあ。

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2008.11.20

『リアリズムの宿』

映画『リアリズムの宿』を見た。『殯の森』以来気になっている女優の尾野真千子が出ていると聞いたから。監督は『天然コケッコー』の山下敦弘。

何というか、本当にヘンな映画、奇妙な味わいの映画だった。一応ロードムービーということになるんだろうけど、不思議なユーモアに満ちていた。

原作はつげ義春だという。つげさんのマンガは読んだことがなかったので、初めて読んでみた。この本には、旅に関するものがいくつか収められていて、どれも、ホントに摩訶不思議な味わいのマンガだった。根強い人気がある理由がなんとなくわかったような気がした。

こちらも上空の寒気の影響で、このところ1月並の寒さだ。急に寒くなったのは堪えるなあ。映画やマンガを見て、無性に温泉に入りたくなったけど、出不精で、内田樹先生と同じくおうちが一番のオカダは、家の風呂に温泉の入浴剤を入れて、かりそめの温泉気分でも味わうことにしよう。

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2008.11.13

『レッドクリフ Part I』

先日仕事で市内に出かけたついでに、映画『レッドクリフ Part I』を見てきた。三國志好きのオカダとしては、やはり劇場の大画面で見ておきたかったのだ。

人気があるようで、そのシネコンの中でも一番大きいホールだった。そこで見るのは初めて。さすがにスクリーンが大きい。

今回見たPart Iでは、曹操軍が荊州に攻め込んでくるところから始まり、本番の「赤壁の戦い」の前哨戦までで終わり。言わば前菜という感じなので、まだあれこれ言うのは早いけど、後編が楽しみな内容ではあった。

製作費に100億かけたそうで、さすがにスケールが大きく、出てくるエキストラの数も半端ではなかった。

ただ、主役の周瑜役がトニー・レオンだったのは、先日『ラスト、コーション』を見てその印象が強烈だったせいで、どうも馴染めなかった。「美周郎」と呼ばれるほど美男子だったそうだから、もう少し華が欲しかったなあ、というのは贅沢かな。

それに対して妻の小喬役のリン・チーリンは、台湾のトップモデルで映画初出演だそうだけど、「絶世の美女」にふさわしい存在感を示していた。

また、孫権の妹の尚香が、女性ながら戦闘にも参加するという設定が、いかにも現代風だった。

前編なのに155分もある大作で、それでいて全然退屈することなく見終わることができたのはさすがにうまく作ってあると思ったけど、もう少し凝縮してもよかったような気がした。

ともあれ、後編は来年4月の公開だそうだけど、早く見たいなあ。ブルーレイディスクが出たら間違いなく買うだろう。

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2008.11.06

演劇博物館

この間の上京の際、早稲田大学の演劇博物館に寄った。この建物は、昭和3年に坪内逍遙が建てたもので、シェイクスピアが活躍していた時代のロンドンにあった「フォーチュン座」という劇場を模倣したものだという。

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村上春樹は早稲田大学文学部の映画演劇科に入っていて、学生時代映画をいっぱい、一年に200本以上見たそうだ。そして、映画を見る金がなくなるとこの演劇博物館に行って、古い映画雑誌に載っているシナリオをかたはしから読んだそうだ。

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ここが演劇博物館一階の閲覧室。春樹さんは40年近く前、この部屋でシナリオを読んでいたわけだ。それは、後々小説を書くのに大いに役立ったことだろう。

そういえば、このエピソードをどこで読んだのだろうと思っていたら、その晩、ちょうど旅のお供に持って行った 『村上朝日堂』 新潮文庫 の90ページに出ているのを見つけた。その中で春樹さんは、

 シナリオを読むのは一度慣れてしまうととても面白いものである。
 見たことのない映画だと、そのシナリオに沿って、自分の頭の中で自分だけの映画を作りだしていけるからだ。

と書いている。原作本ならともかく、シナリオを、映画を見る前に読むなんて非常にユニークだなあ。

この博物館には、世界中の演劇、映像に関する貴重な資料が集められていて、すごく古い物から、越路吹雪の衣装、『ベルサイユのばら』のオスカルの衣装なんてものまで展示されているのには驚いた。オカダはさっと見ただけだけど、じっくり見て回ったらかなり勉強になるだろう。大学が運営しているからか、入場無料なのは有り難かった。

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