『古本でお散歩』
シャコバサボテンの花が満開になった。この花が咲くといよいよ年末がやってきたなあと実感する。
そんな折り、『読書の腕前』の著者、岡崎武志さんの『古本でお散歩』 ちくま文庫 を読んだ。タイトルどおり古本についてのあれこれを書いたもので、文庫のための書き下ろし。装丁は南伸坊さん。内容は、古本屋での作法、古本術アラカルト、など古本にまつわる様々なことが書いてあっておもしろかった。
この本を読んで無性に古本屋に行きたくなり、用事で市内に出かけたついでに立ち寄った。行ったのは、その名も 坊っちゃん書房 という、いかにも松山らしい店名の古本屋さん。松山市中心部の商店街「銀天街」の中程にある。学生時代はよく通ったけど、本当に久しぶりだった。最近は専ら車で郊外の新刊書店に行っているからなあ。
店舗が狭いので、本が本棚に収まりきらず通路にも山積みにされているのは相変わらず。『古本でお散歩』では、店主が座っている帳場の脇に、その店の自慢の本を陳列していることが多いと書いてあったけど、この店では、入口の脇にガラス戸付きの棚があり、夏目漱石の明治時代の本や、手書き原稿を製本したものなど、かなり値打ちがありそうなものが置いてあった。以前は全く気づかなかったなあ。
帳場には、以前いた、頑固一徹そうな、いかにも古本屋の親父といった風貌の店主はいなくて、その息子さんが座っていた。そのときはもう上がっていたけど、先代は今も元気に店に出てきているそうで、それを聞いてなんだか嬉しかった。
店内をひととおり見て回って、新書を1冊買う。
後でネットを見ていたら、この店も楽天に出店していた。そういう時代なのだなあ。
その後、これまた久しぶりにコーヒー専門の喫茶店『東亜珈琲館』へ。ちょっとレトロな、雰囲気のある店内は全然変わっていなかった。コーヒーには誰よりもこだわりを持っているといった感じの、白い半袖シャツ!に蝶ネクタイのマスターが、キビキビ動いている姿が印象的だった。
今日はちょっと奮発してスペシャルコーヒーの中から「ブラジル」を注文する。ここのコーヒーは、香ばしく、味が濃くて酸味も少なく、本当に美味しい。買ってきた本を読みながら、しばし至福の時を過ごした。
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Comments
うちでもシャコバサボテンが満開…松山と同じ状況なんて(!)。
岡崎さんの著書を読もう読もうと思いつつ、何で目に付かないんでしょう(笑)。
でもブログもほぼ毎日更新されていて、そちらのほうも面白いです。で、読みたい本がまた増えるわけですが。
残り少ない2008年も仕事と読書で終わりそうです。
お互い身体に気をつけて頑張りましょうね。
Posted by: ヤヤー | 2008.12.19 08:20 AM
ヤヤーさん、こんばんは。
今年はそちらも暖冬なんですね。
岡崎さんの本は、他の読みたい本の後回し?w
そういえばブログ、最近見てませんでした。やっぱりRSSリーダーに入れておかないとつい忘れてしまいますね。
ホント、今年ももう残りわずかですね。
>お互い身体に気をつけて頑張りましょうね。
ありがとうございます。はたして、今年の年末は無事越すことができるでしょうか(笑)。
Posted by: オカダ | 2008.12.19 06:05 PM