『出星前夜』
ようやくスギ花粉の季節が終わり、先週末久しぶりにガーデニング。サルビア、マリーゴールド、ペチュニアなどを買ってきて植え付けた。そして、伸び放題になっていたラベンダー畑の雑草を取り除いた。やっぱり花は、見るだけで心が和むし、土や草花の匂いにも癒されるなあ。
そして、昨年出た本で、評判のよかった 飯嶋 和一 『出星前夜』 小学館 を読んでみた。全541ページの大作。島原の乱を描いた歴史小説だけど、主人公は天草四郎ではなく、幾人もの主役級の人物が重層的に描かれていて、非常に読み応えがあった。
この小説は、島原の乱の原因を、キリシタンの反乱というより、圧政に虐げられた農民の止むにやまれぬ一揆として描いている。通常の倍の年貢を課され、それに少しでも異を唱えようものなら、キリシタンとして見せしめの極刑に付される。それに対して、遂に我慢しきれず、死を覚悟して蜂起する人たち。
読んでいて、圧制者への怒り、虐げられた農民の苦しみを思う気持ちが沸々と湧いてきた。今さらながら、「政事(まつりごと)=政治」の重要さに思いを巡らせた。今は、一応民主主義の社会ということになっているし、小説の状況に比べたら遙かにましなんだろうけど。
全体としては重苦しい内容ではあったけど、鎮圧軍を向こうに回した一揆軍の活躍する様など、スリリングで胸のすくような場面も多かった。また、こういう世の中でさえも微かな希望を抱かせるような話も盛り込まれていて、救いとなっていた。
ただ、これという主人公が定まってないので、その人物に感情移入して小説の世界にどっぷりはまるというわけにいかなかったのが少し残念だった。また、もう少し省いたり簡略化したりしてもいいかなと思える部分もあった。
とはいえ、人間とは、政治とは、信仰とは、と多くを問いかけてくる、非常に優れた小説であることは間違いないと思う。
それにしても、『ブロデックの報告書』といい、ちょっとヘビーな読書の連続で精神的に疲れた(^_^;。次はちょっと軽めのものを読むことにしよう。


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