『ガラスの巨塔』
いよいよバラの季節。うちでも鉢植えのミニバラが咲いた。全然消毒とかしてないので、虫や病気にやられ放題なのだけど、健気に咲いている。
そんなおり、今井彰 『ガラスの巨塔』 幻冬舎 を読んだ。作者は、NHK「プロジェクトX 挑戦者たち」の元プロデューサー。この小説は、全日本テレビ協会というテレビ局が舞台で、主人公は「チャレンジX」という番組のプロデューサーという設定。
オカダは、小説という体裁をとっているものの、あくまで作者の側の視点のみで描かれた、一種のドキュメンタリ-として読んだ。読み始めたらすごく面白くて、一気に読んでしまった。
いい番組を作ろうと仕事に没頭する主人公、その成功を妬んで、なんとか引きずり下ろそうと画策する職員たち、嘘を平然と記事に書く週刊誌の記者、隙あらばそのテレビ局を攻撃しようとし、不払いを煽るような記事を書く全国紙の新聞社の記者。様々な人物が入り乱れて登場してきて、組織、社会といったものの裏側や、その複雑怪奇さを窺い知ることができた。
主人公の大きな成功と、それ故の大いなる挫折。人生の無常さを感じるには十分な内容だった。
それにしても、いくら小説とはいえここまであからさまに書いてあるのはものすごいなと思った。そう思う自分は、やっぱり「出る杭は打たれる」という諺が真理の一面を衝いてると考えているということだろうなあ。


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