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2010.07.30

『ぼんやりの時間』

Umi0730

先週末、今シーズン初めて海へ出かけた。浜辺のギラギラ照りつける太陽の下、読んだのは辰濃和男 『ぼんやりの時間』 岩波新書。

本屋で見つけて、今のオカダにピッタリだと思ってすぐ買い物かごに放り込んだ。筆者は、1930年生まれ、朝日新聞の記者だった人で、静岡県の山奥にある借家で別荘生活を送っているという。

内容は、ハウツー本、解説書という形ではなく、エッセイ集のような趣の『ぼんやりの時間を持つことのススメ』というべきものだった。ぼんやりすることも、案外役に立つ面がある、というのが著者の言いたいことのようで、もっとぼんやりしてもいいんだよ、と背中を押してもらった感じだ。少しのスキマ時間も無駄にしないように、常に本を読むなりして有効活用しよう、などという強迫観念から少しだけ自由になれた気がした。

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2010.07.16

村上春樹ロングインタビュー・『考える人』2010年8月号

窓の外は土砂降り。今週はよく降った。災害に遭われた人が全国で大勢いるようだ。被害を受けた皆様にお見舞申し上げます。こちらでは、正岡子規と夏目漱石ゆかりの愚陀仏庵が土砂崩れで倒壊したそうで、非常に残念だ。

そんなおり、ようやく、季刊誌『考える人』2010年8月号の「村上春樹ロングインタビュー」を読んだ。このインタビューは、5月11日の火曜日から13日の木曜日まで、3日間に渡って行われたという。場所は、箱根にある1960年代に建てられた古いホテル。ネットによれば、箱根富士屋ホテルらしい。

インタビュアーは、この雑誌の編集長松家仁之さん。春樹さんとは長いつきあいのある人のようだ。村上作品を徹底的に読み込んでいることが随所に窺え、それもあって非常に密度の濃い内容になっている。

1日目と2日目は主に作品や執筆することについて、3日目は翻訳や海外での生活について話していて、当然『1Q84』についても突っ込んだ質問がなされていた。

非常に充実した内容で、特に小説を書く人、翻訳をする人にとってはものすごく勉強になる内容だと思う。例えば、小説家の資質として必要なのは、文体と内容とストラクチャーだという。また、純文学の作家は、外側から囲い込んでいって自我を構築するよりは、内側からつくっていこうとする。そんなむずかしいことをしていたら、小説も小説家もやがてたちゆかなくなる、等々。

2日目の最後では、春樹さんの典型的な1日の過ごし方について話していて、長編小説を書いているときは朝の4時に起きて執筆にとりかかり、10枚書くとやめて走るという、相変わらずストイックな生活を送っているようだ。

できれば何度も熟読したい、そんな内容だった。

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2010.07.09

『ロード・オブ・ザ・リング』ブルーレイ

今週は梅雨の中休みで、毎日蒸し暑い日が続いた。とうとう職場でもエアコンを使用することになり、スイッチを入れようとしたら、リモコンの電池が切れていて作動せず。やれやれ。

Asagao0709

雨降りが続いて見てなかった間に、庭の一角でアメリカアサガオの花が咲いていた。播いた憶えは全然ないのだけど、知らない間に種がこぼれたのだろう。ヤヤーさんにもらった種から花が咲くのも今年で4年目。いつもながら植物の持つ生命力に感心させられる。

村上春樹ロングインタビューが載っている雑誌『考える人』8月号、もちろん買いました。2泊3日でのインタビュー、分量も雑誌の三分の一、130ページに渡っている。じっくり読んでいるところだけど、非常に中味が濃いなあ。

さてこの7日の七夕の日に、映画『ロード・オブ・ザ・リング』3枚組BOXセット ブルーレイ が届いた。先に物語を読んでからDVDを見たのだけど、非常に原作の世界のイメージに忠実で、素晴らしい出来映えだった。それがこうしてようやくブルーレイディスクとして発売されて、ものすごくうれしい。

もっとも、収録されているのがエクステンデッド版ではなく劇場公開版ということで、ネットではかなり評判がよくないようだ。エクステンデッド版は2012年に発売されるという情報も流れていて、それまで待つという人もいるようだけど、オカダはとても待ち切れなかった。エクステンデッド版DVDを見たことがないのでその違いを知らないというのもあるだろうけど。冷静かつ賢明な消費者が結構多いのだなあ。

とりあえず1巻の最初の方を見てみた。DVDも高画質だったけど、大画面で見ると風景等にアラが見えた。そこはさすがにブルーレイ、細かいところまでくっきり。ホビット村の風景も非常に綺麗だった。音声も6.1チャンネル収録で、かなり迫力がある感じだ。この週末は家を揺らす大音量で、9時間ぶっ続けでみようかなw。

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2010.07.02

『ヨーロッパ退屈日記』

ワールドカップサッカーの日本対パラグアイ戦、本当に惜しかった。0点で抑えただけでも大健闘だけど、点が取れないと勝てないわけだし。チームの総合力としてはパラグアイの方が上だったように感じた。でも、日本チームは将来へ繋がる戦い方ができたと思う。

さて、先日伊丹十三記念館で買ってきた 『ヨーロッパ退屈日記』 新潮文庫、お出かけの際にちびちびと読んでいたのだけど、ようやく読み終わった。

1961年、当時伊丹さんは28歳。俳優として、映画出演のテストを受けるためにパリへ赴いた。そのときの様子を中心に綴っている。読んで、ちょっとカルチャーショックを受けた。ここに登場してくるヨーロッパの人たちは、完全に中流階級以上の人たちで、まさに別世界の感がある。伊丹さんは、語学力と高い教養とをもって、それらの人と対等につき合っているのがすごい。

それから50年近く経っているわけだけど、変化していない部分も大きいのだろうなあ。ただ観光で行って通り過ぎるだけではわからない部分が、伊丹さんの鋭い観察力と表現力とで浮き彫りにされていた。TVや映画ではわからない部分を窺い知ることができた。

様々なエピソードも面白いものがいっぱいあるけど、中でも、ヴェニスのホテルの一室で、深夜、三船敏郎と一緒にタタミイワシを焙ってジョニー・ウォーカーの黒を飲む話は強く印象に残った。

この本のカバー装画は伊丹さん自身が書いたというのはさすが。

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