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2011.02.18

『苦役列車』

Xmasrose0218

2月ももう半ばを過ぎた。先週末はものすごく寒くて、こちらでも一時は吹雪いた。雪質が乾いてるせいか、積もることはなかったけど。その後日雨が降って、徐々に暖かくなってきているようだ。クリスマスローズも咲き始めた。

そんな折り、先日芥川賞を受賞した西村賢太の『苦役列車』を読んだ。芥川賞の受賞作品か受賞作家が気になると、作品が掲載されている『文藝春秋』を買って読むことがあるのだけど、今回は作家が気になって読んでみた。各選考委員の選評を読むのも楽しみの一つだ。

あらすじについて、TVや新聞雑誌などで散々見聞きしていたせいで、実際に読んでみてもそういうストーリーで、最後まで読んで、もうこれでお終いか、と思うような内容で、ちょっと物足りなさを感じた。

一方、主人公の北町貫多に対しては、共感できる部分が沢山あって、作者の実体験に基づいてかつコミカルにデフォルメして書いたとのことだけど、元来ものぐさで怠け者のオカダとしては、この主人公のような生き方に一種の憧れを覚えたりする。そしてまた、若いときの自分を思い出して複雑な気分になったりした。

また、現在は不況下で、こういう小説が好まれるような時代背景もあると思う。バブル時代だったらこんなに注目されることもなかったかもしれない。もっとも、この小説の舞台は80年代初めの、バブル景気がこれから膨らもうとしている時期なのだけど。

冒頭いきなり「のうじ(本文では漢字、漢字がPCでは出てこない)という見たことのない漢字が出てきたりと、言葉遣いがかなり古い感じだった。逆にそのことが、年配の選考委員には評価されたようだ。

芥川賞は、ストーリーよりも文体や文章力といったものが重視されるという話をどこかで聞いたことがあるが、この作品を読むとやっぱりそうなのかと思った。

そういえば、『小銭をかぞえる』という作品も、ちょっと評判になっていて、目にとまった。結局読まず仕舞いだったけど、もうすぐ文庫本が出るようなので、出たら読んでみよう。

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2011.02.04

『願わくは、鳩のごとくに』

今年の冬は本当に寒い。寒くて、雨が全く降らず凄く乾燥した状態が続いていて、とうとう風邪にやられ、寝込んでしまった。ところが、ダウンした初日、急ぎの仕事が入ってしまって、午後から出勤。翌日も同様に午後から出勤。3日目は午前中働いて午後から休み。なんとも厳しい3日間だった。こういうとき自営業はつらいものだけど、自分が選んだ道だからなあ。

地球温暖化もなんのその、夏が暑かったらその分冬も寒くなるのが自然の道理なのだろうけど、どうも気候が極端だ。

Sakurasou0204

きのうは節分、今日は立春で、急に3月並みの陽気になった。サクラソウもだんだん花が咲き始めた。春の訪れが待ち遠しいなあ。

寝込んでいて比較的体調のいいときに、前から気になっていた杉田成道『願わくは、鳩のごとくに』扶桑社を読んだ。杉田さんは、元フジテレビの演出家で、『北の国から』を演出していた人。最近では映画『最後の忠臣蔵』の監督を勤めている。

『北の国から』完結編の『2002遺言』が放映されたすぐ後に、『2002遺言』のメイキングのドキュメンタリー番組が放送されたのだけど、その中で、杉田さんについて、「奥さんは30歳年下で、杉田さんが亡くなった後のことを考えて医学部に通っている」という紹介の蛍役の中嶋朋子のナレーションがあって、強烈な印象が残っていた。

この本では、二人の結婚式から話が始まり、過去の出会いに遡り、その後の3人の子どもの子育て、近しい人の死などにも話が及んでいる。

お二人が結婚したのは新郎が57歳で新婦が27歳のとき。杉田さんの前の奥さんは、その7年前にガンで亡くなられたそうで、息子さんがひとりいて、新婦より年上とのこと。

先祖や子孫を含めた「家族」というものについて、いろいろ考えさせられた内容だった。この杉田さんや内田樹先生の話は、おじさんにも希望を与えるものだけど、やっぱり特殊な事例だろうなあ。

『北の国から』の撮影についてもいろいろなエピソードが語られていて、特に地井武男さんの話など、どれも興味深かった。

それにしても、『北の国から』の最後の3作品はブルーレイが出ているのだけど、滅茶苦茶高い。安くして再発売してくれるのをずっと待っているのだけど、いったいいつになるやら。

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