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2012.04.06

『いねむり先生』

Sakura0406

なかなか咲かなかった桜も、ようやく咲き始めた。元小学校へ見に行くと、枝がだいぶ切られて、全体が小振りになっていた。少し残念な気がした。

そんなおり、伊集院静 『いねむり先生』 集英社 を読んだ。

タイトルの「いねむり先生」ことI先生は、作家にしてギャンブルの神様のことだそうだけど、本文中には名前は出てこない。帯にはしっかり「色川武大」と書いてある。

主人公は、2年前に女優だった妻を亡くし、失意の中で生きているときに、先輩の紹介でI先生と出会う。この本には、それから一緒に酒を呑んだり、ギャンブルの旅に出たりと、先生と交流を重ねた様子が描かれている。

410ページの大長編だったけど、流れるように読むことができた。文章のリズムが非常にいいせいもあるのだろう。

主人公が、周囲の様々なこと、ひいては生きること自体にあまり執着を感じていない様子に、ある種の清々しさを感じた。麻雀をしたり競輪をしたりしつつも、それほど熱くなっていないところに渋さを感じた。

先生は主人公のことを人に「友だち」と紹介する。その微妙な関係が、この小説の大いなる魅力だろう。

先生という人間の大きさに、主人公は救われる。その再生の様子には心打たれた。

本の中に、歌手のIさんという人が出てくる。誰のことかと思っていたら、途中で「名前に陽がつく」という箇所が出てきて、誰だか思い当たった。文中の喋り方からするとイメージと違っていたけど。そういえば、以前BS放送でその歌手の特集番組があり、そのときにI先生と交流があり、夜な夜な麻雀を打っていたと紹介されていたことを思い出した。その際に著者の名前も出てきたかどうかは憶えていないのだけど。

オカダはギャンブルが好きではない。パチンコも麻雀もほとんどしたことがない。何より損をするのが嫌だ。でもまあ、この本を読むと、大人の遊びとしてギャンブルは確かに面白そうだ。

オカダのようなおじさんは、こういう「おじさんのために書かれた本」を読めばいいんだ、と考えて何だか救われた気がした。

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Comments

オカダさん、こんばんは。

>オカダのようなおじさんは、こういう「おじさんのために書かれた本」を読めばいいんだ、と考えて何だか救われた気がした。

ここの部分、どういう意味なんだろうと興味を持ちました。
ちょっと意味深な感じですよね~

私は、色川武大&阿佐田哲也さんの大ファンなのです。
学生時代にすっかりはまって、手に入る著作は全部読みました。
同じくギャンブルは好きではないですが、本のお陰で、麻雀は大好きです。
ゲームの類が好きなようで、クロスワードからテレビゲームもやります。
さすがに携帯ゲームはやりませんが。

本当は、この作者・伊集院静さんがずっと苦手だったのです。
でも、以前読んだ『お父やんとオジサン』がとても良かったので手に取った次第です。。

Posted by: Poke | 2012.04.09 at 06:47 PM

Pokeさん、こんばんは。

最近、評判の小説を読んでももう一つピンとこないことが多いので、おじさん向けの本を読めばいいんだと思い当たった次第です。

>私は、色川武大&阿佐田哲也さんの大ファンなのです。
>学生時代にすっかりはまって、手に入る著作は全部読みました。

そうだったんですか。僕もこの機会に何か読んでみようと思います。

僕もギャンブルは嫌いですが、ゲームは好きです。昔はPCで麻雀ゲームもよくやりました。ギャンブルじゃない麻雀ならやってみたいですけどね。

>本当は、この作者・伊集院静さんがずっと苦手だったのです。

そうでしたか。作風が変わったのか、あるいはPokeさんの好みが変わったのかもしれませんね。

Posted by: オカダ | 2012.04.11 at 06:29 PM

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