« ゴールデンウィーク '13 | Main | 『世界から猫が消えたなら』 »

2013.05.24

『冷血』

Nadeshiko0524

今週は、一気に夏の陽気になった。それでも空気が乾燥していて、新緑はまだ目に優しく、非常に過ごしやすい季節だ。とはいえ、梅雨ももうすぐ。こうして知らず知らずのうちの季節は進んでいくのだなあ。庭のナデシコの花が満開になった。

そんなおり、高村薫『冷血』(上・下)毎日新聞社 を読んだ。以前、高村薫に嵌って読み耽っていた時期がある。『レディ・ジョーカー』が出版された頃だったから、もうかなり前のことだ。多分にネットの影響が大きかったのだけど。

そして時は流れて、たまたま目に止まった『冷血』上巻を読んでみた。物語は、二人の男が伝言サイトを通じて出会うところから始まる。その間に、一人の女子中学生が語る物語が挿入される形でストーリーが進行していく。そして上巻の後半から合田雄一郎が登場してきて、下巻を通して合田の視点で物語りが語られていく。

高村薫独特の、粘り着くような文体は健在だった。前半は非常に読み応えがり、次なる展開への期待もあって、どんどん読み進めていって止まらなくなる程だったけど、後半はテンポも悪くなり、読了するのが正直しんどかった。

それでも、読み終わってそれ相応の手応え、充実感は感じることができた。彫りの深い人物像をこれだけ稠密に描くことができるのは高村薫ならではだろう。

お手軽なミステリーに物足りない人にお薦めしたい本ではあるけど、ボリューム、内容両方のヘビーさ故に、読むにはそれなりの覚悟が必要だと思う。

その後、物語に登場する映画『パリ、テキサス』を見たみた。確かにナスターシャ・キンスキーは綺麗だった。

|

« ゴールデンウィーク '13 | Main | 『世界から猫が消えたなら』 »