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2013.08.30

映画『桐島、部活やめるってよ』

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お盆が過ぎても猛暑が続いていたのが、先週末の雨でだいぶ涼しくなった。そして今週末も雨。庭のアメリカンブルーも雨に濡れてしっとりしている。

そんなおり、映画『桐島、部活やめるってよ』を家で見た。朝井リョウのデビュー小説を映画化したもので、監督は吉田大八。主演は神木隆之介。ヒロインは『あまちゃん』のユイちゃん役の橋本愛。他に、同じく『あまちゃん』にGMTの入間しおり役で出ていた松岡茉優も出ていた。

主人公は、高校2年生、映画部の部長の前田。バレーボール部の部長・桐島が部活を辞めるという噂が校内を駆けめぐるところからストーリーが進んでいく。

それが、同じ時間が別の登場人物の視点で語られる部分が幾度かあって、非常にユニークな構成だった。そのことによって、それぞれの登場人物を通してみる現実がハッキリと浮かび上がっていた。

高校生の群像劇といったところで、現代の高校生の生態がとてもリアルに映し出されているように感じられ、すっかり劇中に入り込んでしまった。

メインのストーリーお共に展開されるサイドストーリーもバラエティに富んでいてなかなか面白かった。

高校時代のことを懐かしく思い出した。オカダは文芸部に属していたけど、実質は帰宅部で、前田のように部員たちと映画作りに熱中するということもなかった。スポーツも苦手で、勉強も特別に出来るわけでもなく、地味で暗くて、向上心も協調性も存在感も個性も華もない、パッとしない生徒だった。いわば第一の暗黒時代。でも、あの時代があったからこそ今の自分があるわけで、忘れてしまいたいということでもなく、ほろ苦く思い出すものということだ。

非常によくできた青春ドラマで、一見の価値はあると思う。今度は原作も読んでみたい。

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2013.08.09

映画『風立ちぬ』

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先月28日にはこちらでもまとまった雨が降って、ひと息ついたのだけど、それ以降も毎日暑い日が続いている。庭のアメリカアサガオが、今年も花を咲かせた。

そんなおり、ちょうど町へ出る機会があって、そのついでに映画『風立ちぬ』を見てきた。宮崎駿監督の映画を劇場で見るのはこれが初めて。これだけマスメディアで宣伝されると、どうしても見たくなってしまう。内田樹先生も宮崎アニメのファンであることだし。

映画は、主人公堀越二郎の少年時代から始まり、すぐ二郎が鳥型飛行機で空を飛ぶシーンが登場する。内田先生が、以前宮崎駿監督の、空を飛ぶことへの偏愛を語っていたが、まさにそのような映像だった。
時は大正、上空から見下ろす群馬県藤岡の町の風景の美しさと言ったら、とても言葉では言い表せないほど。

それ以外にも、東京・深川、軽井沢、名古屋と、非常に美しい風景が随所に出てきて、それらを大スクリーンで見ることができただけでも至福の体験だった。ある意味、写真や実際の風景の美さえ超えているかのようで、これこそ絵画の持つ力だと今さらながら腑に落ちた。

そして、二郎の夢にイタリアの飛行機の設計家カプローニが幾度か出てきて、二郎と時空を超えて交流する。これは何とも摩訶不思議な場面だったけど、それだけに宮崎監督の思想が強く反映されているように感じた。

物語は、二郎が、少年時代からの夢だった飛行機作りに没頭していく様子を中心に進んでいく。その、少しでもいい飛行機を作りたいという情熱には、見ていて胸が熱くなり、すっかり二郎に感情移入していた。

しかし、その飛行機作りの過程は丹念に描かれていたのだけど、太平洋戦争については最後の方で少し触れられただけで、やや物足りなさが残った。

そして、サブストーリーである菜穂子との恋愛については、微笑ましくもあり、また非常に胸打たれるものでもあった。菜穂子が非常に魅力的な声で、どこかで聞いたことのある声だなと思っていたら、女優の瀧本美織の声で、前の晩たまたまドラマ『妻はくの一』を見たところだった。

ただ、こちらのストーリーについても、ラストが非常にあっけなくて、物足りなく感じた。

どちらも、宮崎監督がわざと抑えたのかもしれない。まだ貧しかった日本、それにもかかわらず膨大な税金をかけて戦闘機を作った。それも、飛行機を工場から飛行場まで、牛を使って運ぶという有様だっだ。そのような時代背景も、数多く散りばめられていた。そうした、様々な場面を詰め込み過ぎた影響もあったのかもしれない。

とはいえ、本編が終わったときには目頭が熱くなった。非常に優れた作品であることは間違いない。

エンドロールで流れた「ひこうき雲」。次々に流れる本編のシーンを見てる間にあっという間に終わってしまって、残念ながらじっくり聴くことができなかった。

オーディオファンとして一つ付け加えておくと、この映画の音声は全編モノラルだった。マルチチャンネル音声が主流の中で、これは非常に残念だった。DVD化に際しては、是非ともマルチチャンネル化してほしい。

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パンフレットの裏表紙

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劇場で買った二郎鳥型飛行機のマグネット付きフィギュア。とても気に入っている。

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