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2014.03.07

『独立器官』

Primura0307

もう3月だというのに、今日は寒い一日だった。そんな中、プリムラの花が満開になった。春が確実に近づいているということだなあ。その分、スギ花粉もぶんぶん飛んでいるということだけど(^_^;。

さて、遅ればせながら『文藝春秋』三月号に掲載された村上春樹の書き下ろし短編小説、『独立器官』の感想など。

二月号の『木野』については感想を書かずじまいだったけど、かなり幻想的な内容だったのに対して、今度の『独立器官』は、リアルな小説となっていて、語り手として作家である「僕」が登場する。

そして語られるのは友人の渡会という美容整形外科医。52歳、独身で、麻布の瀟洒なマンションに一人暮らしをしている。そして、これまで交際する女性に不自由したことがなく、結婚して家庭を持つということをまったく望まない人物。

そんな渡会医師が、ある女性と出会い、「誰かのことを好きになりすぎるまいと決心して、そのための努力を」するようになる。その女性には、夫も5歳の女の子もいる。

そこから物語は思いもよらぬ方向へ転がっていく。タイトルの「独立器官」とはいったい何なのか、はネタバレになるのでここでは書けないけど、女性からは反感を買いそうな感じではある。

読み終わって、背筋に寒気が走るような、非常に怖ろしい思いを抱いた。もしかしたら、現実にもこういう話がそこら辺に転がっているのかもしれない。そう思わされるような、リアル感たっぷりの小説だった。

『文藝春秋』四月号はもうすぐ発売だけど、はたして次の新作も載っているのか、非常に気になるところだ。

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